
記憶の限界とデジタルの壁
前回 [step 32:サブスク等の総点検] でもお話ししましたが、レジ前でパスワードが分からず冷や汗をかいた経験は、私にとって大きな転機となりました。
セキュリティのために「複雑な文字列」や「使い回し禁止」が推奨される現代。しかし、それをすべて記憶したり、スマホの管理機能に預けきったりすることに、どこか不安と限界を感じていました。
辿り着いたのは「アナログな単語帳」
そこで私が導入したのが、学生時代にお世話になった**「単語帳」**です。
「単語帳なんて、今どき売っているの?」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。昔ながらの街の文具店や、大型ショッピングモールの文具コーナーへ足を運べば、今でもしっかり並んでいます。手に取って紙の質感やリングの感触を確かめ、自分に馴染む一品を選ぶ。そんな時間もまた、大人の愉しみかもしれません。
なぜ専用のノートではなく単語帳なのか? それには3つのメリットがありました。
- 並び替えが自在: サービスが増えても、リングを外して五十音順に差し込める。
- 一覧性が高い: 1枚に「サービス名」「ID」「パスワード」を書くだけで完結。
- オフラインの強み: スマホの電池が切れても、手元に「正解」がある安心感。
「書く」ことで整理される頭の中
単語帳に一つひとつ書き写していく作業は、同時に「このサービスは本当に必要か?」を自問自答する良い機会にもなりました。
一見、時代に逆行しているようですが、この「物理的な安心感」は、デジタル疲れを感じている私たち世代には非常に心地よいものです。書き写す手間を惜しむようなサービスは、思い切って解約する。これも立派な「積み減らし」の一環です。
最終的な「出口」を見据えて
そして、この単語帳管理には、もう一つの大切な役割があります。
それは、最終的に「選抜されたカード」を、エンディングノートに貼り付けていくこと。 私がこの世を去った後、残された人がデジタル遺産の整理で途方に暮れないよう、今のうちから「これだけは伝えておくべき」という情報を精査し、整理しておくのです。
アナログとデジタルの「いいとこ取り」をしながら、大切なものを上手に残していく。 パスワード地獄から脱却し、身軽に、そして確実に次世代へ繋いでいく。そんな新しい整理の形を、これからもコツコツと続けていきたいと思っています。